「山椒夜曲」(うたバージョン)について。
- Kataribe
- 2024年10月29日
- 読了時間: 4分
自分は音楽系のアカウントだと思いますが、その割に、創作の内側の事は発信していません。
単に、そんなことを言ったところで、誰も興味なければ小っ恥ずかしいだけだから、なのですが。。
M3 2024秋、アートモバイルさんのブースで配布された「山椒こんぴ」に、自分の楽曲「山椒夜曲」を収録いただきました。
SNSを通じてコンピなりコラボなり、誰かと何かやることが初めてだったので、たいへん刺激をいただきました。この場を借りて、素敵な皆様に御礼申し上げます。
ーここから先は更に雑記。
「山椒夜曲」は曲先で作りました。元々のメロディは、1年以上前から持っていたものです。
ずっと詞をつけたいと思っていました。。
「山椒食べながら作ってみた」の企画が始まったその初回、今年の7月。
何をしようか思い悩んで、「詩」を書くことにしました。
テーマは「香りと記憶」。
プルースト効果というもの。
嗅覚は脳の記憶を司る「海馬」に、直接的に働きかけると言われています。
キンモクセイの香りを嗅ぐと懐かしく感じたり、何か特定の香水が想い出を呼び起こす事も、この効果が関係するとのこと。
であれば、「山椒」の香りで、何か想い出に結びつく話があっても面白いかな、というインスピレーションでした。
そして、投稿した詩のBGMに、「山椒夜曲」のピアノバージョンを入れました。
それで、もうこれで良いかな、と思っていました。
ただ、何となく勿体無い気もして、時々メロディを思い返しているうちに、「もし、雨の音が 心を溶かしたら」のフレーズがメロディに乗っかっていました。
こっちの事情など知らないで、当たり前とばかりに降り続く雨の音。
無関心が最も人を傷つけるとはいえ、雨ともなれば、その不条理に膝を抱えるしかありません。
かくも現代は生きづらい。
そして、その雨を出発点に、記憶の中の「山椒の香り」から、自分=家族に出会い、戻ってくるという流れで、「山椒夜曲」に歌詞を付けれそうだなと思いました。
歌となれば、自分は歌えませんのでボカロ(知声さん)となります。。
メロディを打ち込みしながら、同時に歌詞を考えて、あーでもないこーでもないして作りました。
ボカロは全然やらないので、調声等は様々なボカロPさんには及ばす、ここは誠に恐縮な限りです。。
音のアレンジについては、鉄板の生楽器系を最低限入れたのみで、特に工夫はありません。
ただそうなると、説得力のある打ち込みをしないと、誤魔化しが出来ず、違和感にやられてしまいます。。とりわけ、ストリングスがややこしい。。
弦四部(Vn,Vn,Va,Vc)か、三部(Vn,Vn,Va)か…Vcを活かせるMixの腕もないので弦は三部で。
取り分けVaのオートメーションにはこだわりました。理由は、ダイナミクス増減、とりわけ増(cresc.)については低音が主導するからです。
あと手前味噌ですが、自分はピアノのブロックコード伴奏のみに結構自信があり、、この曲のピアノはほぼ全編がブロックコード伴奏になっています(これによって中低音域が制覇されてしまうんですが…だからVcは抜いた)。
あといい加減、こういうジャンル・アレンジでIvory使うのはきついものがありますね。。
サンプリングノイズの制御が難しいです。
やはりAddictive Keysが好きです。
あと、VnソロはBohemian Violinを使っているのですが、扱いがめっちゃ難しいですね。。
アルゴリズムで勝手にアーティキュレーションを判断するので、自然なボウイングからかけ離れることが多く、修正がめっちゃ大変でした(「銀河鉄道の夜」でもそうだったんですが)。。
プレイバックの都度にアーティキュレーションが変わるのは、仕様なんでしょうか。。
そんなこんなで、「山椒こんぴ」にも間に合い、あろうことかコンピのラストに入れていただき、本当に嬉しく思っております。
歌詞に涙を流してくれたという声を聞いて、作って良かったなーと実感しました。
「山椒」というテーマであっても、見る角度、切り取り方によって色んな物語が生まれると思います。
きっと山椒を愛する方々が、これからも、それぞれの角度で何かを捻り出す事。
それ自体が音楽や芸術の営みとして、とても美しく感じます。
ここまで読んだ方は絶対に皆無に違いありませんが、ありがとうございました😭
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